X線写真の撮影と読影による製品開発 2015年

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2015.11.24

2012年から豊田耕一郎整形医師(現とよた整形外科クリニック院長)の協力により、椅子の開発でX画像を用いる方法を開発しました。

実績

2012年 病院待合室用腰痛にやさしい椅子

2013年 NHKあさイチ 巻きずしロール

2014年 病院待合室用腰痛にやさしい椅子 セカンドバーション

マットレスと枕(アキレス株式会社フェルアベルシリーズ)

2015年 四日市市立博物館プラネタリウム劇場用椅子

ニッセン ソファー

2016年 発売予定の数種の椅子・座椅子・枕 要するに現在開発中の試作品はすべてX線画像解析をしております。同時に、体圧分布と骨盤傾斜角度の測定、接触確認装置(おもに背当て)は必要なときには使います。

次の画像は、2015年10月の撮影風景。椅子は来年アーバン通商が発売を予定している座椅子の試作品です

PA150894s

撮影装置は、低被ばく型の最新のものです。

撮影後、画像はワイヤレスで診察室のモニターに送り、豊田医師に検討していただきます。

PA150898s

以下は、2012年当時の状況です。

今回仙骨サポート座布団SSZを使用した時の腰椎・骨盤・仙骨の状態をX線で撮影しました。X線室に椅子や仙骨サポート座布団を持ち込みました。

P1010047s

写真  X線撮影室 山口県総合医療センター

SSZ X線撮影

写真 適当な椅子を持ち込む。仙骨サポート座布団SSZ)をのせる。SSZは、X線写真には、映らないので仕掛けが必要である。写真中の鉛の棒は、その一つ。

次のX線撮影は、その一例です。明瞭な画像を得ることは難しいが、X線撮影技師や豊田耕一郎医師ともにいちばんよい条件を求め撮影されました。

SSZ仙骨傾斜生

写真 上の写真と同じ状況で撮影された男子のX線写真

この写真の読影の結果を次に示します。次の図は、仙骨サポート座布団を使用した場合(with SSZ) と使用しない場合(without SSZ) の比較です。

図に、腰椎、骨盤上縁、仙骨、大腿骨が、トレースされております。仙骨サポート座布団を使用した場合には、仙骨サポート座布団の仙骨部の輪郭がトレースされております。骨盤傾斜については、仙骨上縁と水平線とのなす角度sacral slope  (日本脊柱脊髄病学会用語辞典 4版 2010)を示しております。

SSZ あり無しの比較

図 仙骨サポート座布団を使用した場合(with SSZ) と使用しない場合(without SSZ) の比較

写真から求めた sacral slope とすでに測定された骨盤傾斜角度の比較を表1に示します。

表1 sacral slope と骨盤傾斜角度 (度)

骨盤傾斜とSacral slope

ただしsacral slope: 日本人男性36パーセンタイル 脊椎疾患のない正常者

骨盤傾斜角:21人の測定の平均値

表1 の値を理解するために両者の関係を図解します。

骨盤傾斜角度とSacral slope X線画像版

立位                                                                                         椅子座り(Vitra ID chair)

図 X線写真上の、骨盤傾斜角度とSacral slope の幾何学的な関係

図には腰椎・骨盤・仙骨の輪郭が描かれている。椅子座りのL4 に近いところの四角い影は、骨盤傾斜角センサーである