シリーズ 人間工学(エルゴノミクス)とは  その1

人間工学は何のためにあるのでしょうか

人間のことを考えてものを作るための考え方・方法をまとめたものが、人間工学です。

人間工学は人間の生理的心理的特性をもとに、人間にとっての使いやすさという観点から、もののあり方を研究し人とマシンの調和を考え、人間に優しい快適設計を行うことを研究目的としています。

日本人にとっては、人間工学の方がなじむかもしれませんが、国際的に通用するのは、エルゴノミクス(ergonomics)です。インターネットでも、エルゴノミクス商品は多数検索できます。「エルゴおんぶひも」までありました。

実例

例としては、各家庭の椅子と電化製品と女性、自動車とドライバー、コンピューターとオペレーターなどがあげられます。最近(2009―2010年)の筆者推薦の商品をあげてみます。個々の商品のエルゴノミクス特徴は、別の項にまとめて示しておきます。

表 最近(2009―2010年)の筆者推薦の商品 詳しくは、別項にて

一覧

 

この表には、バリアフリーやユニバーサルデザインとして開発されたものも少なくありません。バリアフリーやユニバーサルデザインは、個々の目的を意味します。エルゴノミクスは学問体系です。

人間工学入門 その1

人間工学は何のためにあるのか

人間のことを考えてものを作るための考え方・方法をまとめたものが、人間工学である。

人間工学は人間の生理的心理的特性をもとに、人間にとっての使いやすさという観点から、もののあり方を研究し。人とマシンの調和を考え、人間に優しい快適設計を行うことを研究目的としている。

日本人にとっては、人間工学の方がなじむかもしれないが、国際的に通用するのは、エルゴノミクス(ergonomics)である。

実例

例としては、各家庭の椅子と電化製品と女性、自動車とドライバー、コンピューターとオペレーターなどがあげられる。

最近(2009―2010年)の筆者推薦の商品をあげてみよう。個々の商品のエルゴノミクス特徴は、最後にまとめて示す。

マットレス

ハンディクリーナー

キッチンナイフ

トイレ

シャワーの混合栓

手すり

交通信号機

この表には、バリアフリーやユニバーサルデザインとして開発されたものも少なくない。バリアフリーやユニバーサルデザインは、個々の目的を意味する。エルゴノミクスは学問体系である。

人間は、いつ頃から自分のことを考えてものを作るようになったのか

カイロ博物館のツタンカーメン(紀元前14世紀第18王朝の王)が子供のころに使った椅子がそれである。これにはフートレスト(足置き台)が用意されている。フートレストによって、大きすぎる椅子を子供にアジャストするという考え方は、その当時からあったのだ。

紀元前1300年のエジプトの椅子

写真 紀元前1300年代の椅子とフートレスト

イタリア・トリノのエジプト博物館には、比較的保存のよい木製椅子(Kha の椅子) がある。この椅子の背当ては、傾斜していて、着座した人に快適な座り心地を提供している。 この背当ての傾斜も、座るひとへの配慮である。

日本も歴史に残る実績がある。13世紀の道元禅師(日本の曹洞宗の開祖(1200ー1253))の教え「普勧坐禅儀」には、坐禅を坐法とし、正身端坐としてある。道元禅師は、この坐法で座蒲を腰の下に敷くことを提唱した。結果として、この座蒲は、その姿勢とあいまって身体の安定性を高めることに寄与している。また、この座蒲は、それを用いる人の身体形状に合わせてサイズを調整することが現在まで行われている。

写真

そして16世紀前後になるが、ミケランジェロのデッサン*の中に、人を描いている。机とイスの相互の関係寸法に注意を払って描かれたものと想像される。

* Michelangelo : Studi per i banchi e la scala della Biblioteca Laurenziana. Firenze. Casa Buonarroti

 

ものづくりとエルゴノミクス

 

どのようにして、ものを作るとき、使いやすさとか快適に設計するのか。

次の三つの写真は、その現場の紹介である。

キッチンナイフのハンドルの形状の開発

写真1 藤次郎エルゴスの開発 藤寅工業との共同開発

航空機のシートの開発 JALシートに適用

写真2

乗用車のコックピット開発

写真3 ダイムラーとの共同研究

科学的な検証・評価も重要だが、出発点はあくまでもものを作ることである。

最後に

エルゴノミクスは、いま、ひとつの変わり目に来ていると思われる。いままで大学は、企業のもの作りを支援するためのソフト面の研究を行ってきた。

企業の製品作りの補完的な立場として大学のエルゴノミクスがあったのである。この傾向は、1990年代に顕著になったと思われる。しかし、時代の変化とともに大学研究室の役割も変わってきている。大学にも、自力でのもの作りが課せられる傾向で、ソフト面の研究だけやっていればよいという時代ではなくなってきたのである。

参考

推奨商品 一覧表

    メーカー
マットレス 優しく身体を包み込む低反発の触感と高弾性の特徴を併せ持つウレタンフォームの開発  
ハンディクリーナー 吸引力抜群。重たいモーターと電池部分を手首近くに配置することで持つ時の負担軽減。 ダイソン製
キッチンナイフ 日本とヨーロッパの調理法とでのハンドルを握るときの様子を実験で調べて開発したこだわり商品である。2010年フランクフルトの見本市でデビューの後、日本で発売の予定。 新潟燕のナイフ専業メーカー藤寅製
トイレ 様々なことがリモートコントロールでできるようになったトイレは、珍しくなくなった。このトイレは「ほのかフライト」と称して、眠気を探しすぎないようほのかなフライトは、とするものである。トイレの証明を点灯しなくても、このフライトで、足元手すりの位置などは分かり安心して用がたせる。夜中にトイレに起きることは頻繁な高齢者にはとても優しい。 イナックス製
シャワーの混合栓 浴室の中で最近よくなったのは、これである。以前のものは水と油の背をひねってちょうど良い彼に保有を調整した。最近のものはワンタッチ。シャワーにもなれば、蛇口からの適温の湯が出てくる。サーモスタットがうまく機能している。子供から高齢者まで安全に使える。 イナックス製。
手すり バスの手すりがすごい。極めて多数の手すりの間にシートはがある状態である。使ってみると、とても便利で、これも高齢者にはとても良い。ベビーカーを持ち入れお母さんたちにもよく使われているようだ。 東京都のバス
交通信号機 ドライバーの方は最近道路の信号機が見やすくなったことに気がつかれていることだろう。これは見やすい発光ダイオード(LED) を使ったことによる。この信号機は、電球式のように、西日が当たって点灯しているのか、しないのかよくわからないことがないので、見違える可能性が少ない。 警視庁