なぜ体圧分布を測るのか

2021年9月 新報告

開発されたハイブリッドデバイスでは、多様な圧センサーを取り付けることができます。それは、下の図1

とは、だいぶ異なります。従来の「分布」 を求めることは、多少面倒というかそれでは意味がありません。

この項執筆中

体圧分布とは腰かけた時椅子と身体の間に生ずる圧力の分布です。2014.7.6 改訂
目次
1. 体圧分布からわかること
2. 体圧分布の見方
(1)  形ー輪郭を見る
(2) 数値(統計値)を見る
3. 体圧分布装置 しばらくお待ちください
4. 装置がない場合の工夫  知りたい情報は限定的ですが、工夫次第で可能です。2014年5月に中国で実験して成功しました。6月 椅子のコトブキ 7月四日市 市立中央小学校で子供たちに使う予定です

1. 体圧分布からわかること
座り心地に大きく関係する情報を得ることができます。骨盤傾斜角からは、座っている人の姿勢そして健康に関する情報が得られるのに対して、体圧分布からわかることは座り心地なので、多くの実験で骨盤傾斜角と体圧分布を一緒に測ることが大切です。なぜかというと、人は、座り心地が良くてしかも健康に良い椅子を要求することは、至極当然のことだからです。

2.  体圧分布の見方
(1)  形ー輪郭を見るまず輪郭を確かめます。次の図1の上は、仙骨サポート座布団を座面が平らな椅子に載せて測ったものです。次の図の下は、この座布団を開発するときに用いたアンケート用紙の一部です。左には座布団の形があり、左は、その形の上に人体を重ねて描いております。体圧分布の輪郭が座布団とそっくりであることが確認できます。この確認により、座布団が人体をしっかり支えていることがわかります。図2に、オフィスの椅子の場合を示します。なお、被験者は同一の女性です。

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図1 体圧分布 仙骨サポート座布団の場合

図2に、オフィスの椅子の場合の体圧分布と用いた椅子(図3)を示します。

体圧分布 椅子

図2 オフィスの椅子に座った場合の体圧分布 被験者は、図1と同じ

図2の測定に用いた椅子を図3に示します。写真の左端に、パイプ椅子に仙骨サポート座布団を載せて実験しているのがわかります

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図3 オフィスの椅子

次に、椅子の高さ(座面高)を、1.最も低く設定、2.その人の脚の長さ( 下腿長)とほぼ等しく設定、3.椅子の高さを最大高くした場合について、それぞれ体圧分布の変化をお見せします。詳細は、次項で数値を挙げて説明します。

動画 椅子の高さを変えたとき人体に及ぼす変化を体圧分布で見る

(2)数値(統計値)を見る
開発や研究では計測された数値を確めるのが出発点です。その数値とは:

面積、圧力値(平均とピーク)

さらに、体圧分布の一部の領域の圧力値を確かめる場合もあります。
まず、図解として椅子の高さを三種類に変えて体圧分布の変化を見てみましょう。図4をご覧ください。

図6高さ実験(3d合板椅子)最終版0810 [更新済み]

図4  図解として椅子の高さを三種類に変えて体圧分布の変化と数値

上の図は、座面の高さを4cm上下することで、分布の大きさが変化します。同時に圧力と面積 の値を読むことができます。さらに詳しい解析が可能で、領域別の解析は、椅子の開発には欠かせません。領域別の解析とは、身体の部位(大腿部、坐骨結節部そして仙骨部)の領域別に圧力値を調べることです。近年のエルゴシーティング社の椅子の開発ではこの解析が大いに貢献しております。

3. 体圧分布装置
一例を写真で示します。
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写真  体圧分布装置の一例 Xセンサー

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写真   測定の様子 (岐阜県生活技術研究所)

この写真のように、測定中の体圧分布の画像を見て、被験者が座り心地の感覚を確かめるのも良い方法です。

4. 装置がない場合の工夫

次のような測定装置を自製して使用しております。

椅子用簡易型圧力センサー①ランプ②電池③椅子と人体に張るアルミシート④測定装置一式

装置は、小さなボックスに入れて実験会場に持っていきます。
用途 座り心地を測ることはできません
被験者が、座面や背当ての特定の場所に体が接しているか、ランプ点灯で知ることができます


回路の構成

外科用手術椅子の実験の場合 2010年から使用開始

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